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大阪市内の店舗物件調査で考えたこと

大阪市内の店舗物件調査で考えたこと

大阪市内で飲食店の物件調査に同行しました

●店舗の設備スペック ~店舗物件の現地調査は設計者と共に~

古い木造建築の2階で、中心に小さい中庭のあるコの字型の個性的な形状をしています。
しかしこの店舗は二人の経営者による共同経営で、厨房を介して二つのダイニングに分かれる設定なので、この特殊なコの字型の平面は適しているのです。
このままこの物件で契約が結ばれるとしたら、厨房を共同で使いながら二つの店舗が存在するちょっと変わった店舗デザインができそうです。

飲食店の物件調査では設備容量や厨房の配置等のチェック事項がありますが、この店舗は木造2階建てということで厨房の防水をどうするのかというところを考えておかないといけません。

通常ウェットキッチンの防水は、耐用年数が長くてメンテナンスの手間がかからないシート防水を提案しています。
この工法はシート状の防水層を形成した上に給排水配管を施し、シンダーコンクリートやスタイロなどで軽量化したモルタルを打って床仕上げとするのが一般的です。
しかしこの物件は木造建築ということなので、軽量化されたシンダーコンクリートとはいえ重量のあるコンクリートをあまり使いたくないのです。
さらに木造建築はその他の構造に比べて揺れます。
防水にとって良くない条件がそろっているのです。
ドライキッチンにすることも含めて、防水の方法は要検討です。

●飲食店の厨房には『ドライキッチン』も有り?『ウェットキッチン』と比較してみた
●飲食店づくりには欠かせません、厨房防水工事

物件の現状を計測し平面図を描き、オーナーにデザインプランを提案しました。
コの字平面のつなぎ目のところに厨房を配置して、両サイドにダイニングを置くというプランで気に入ってもらってはいるのですが、やはり問題は厨房です。
天井高が元々低い上に排水経路が少し長くなるのです。
厨房は防水や排水配管等によって床が上がる上に、天井裏には給排気などの配管が必要になるので天井高の確保は必須です。
さらに床上げの高さは排水経路の長さによるのです。排水は自然に流れるように勾配をとって下階へとつながる縦配管までつなげる必要がありますが、その距離が長ければ長いほど排水の勾配を確保するために床を上げなければならなくなるのです。

また、この物件は商店街の中なので隣の建物との隙間が少なくて厨房の排気経路の確保もなかなか難しくなりそうです。
契約を結んで、店舗の設計に入る段階でいろいろな工夫を凝らしていくことになると思いますが、二人のオーナーによる共同経営ということもあり、物件の持つポテンシャルは面白そうなのでちょっと楽しみな案件です。

一度の設計で2店舗のデザインを楽しむことができますね!

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