2000年に制定された品確法による住宅性能表示制度から、2009年の長期優良住宅制度の制定、2022年の省エネ基準の引き上げ、長期優良住宅制度の改正、近頃注目されるZEH住宅。
その歴史の流れを見ることで、今の省エネ住宅、これからの省エネ住宅を考えるきっかけになればと思います。
長期優良住宅やZEHについては別の記事でもう少し詳しく解説していますので、そちらも合せてご覧ください。
2000年、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の制定
阪神淡路大震災の後、建築基準法の改正が促されました。
一連の改正の中でも重要なのが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が制定されたことです。品確法で重要な項目は以下の3項目です。
一連の改正の中でも重要なのが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が制定されたことです。品確法で重要な項目は以下の3項目です。
瑕疵責任の義務化
新築住宅供給者(不動産会社や工務店)は構造耐力条主要な部分、雨の侵入を防止する部分
の設計や施工のミスによる欠陥(瑕疵)に対して、10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を負います。
の設計や施工のミスによる欠陥(瑕疵)に対して、10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を負います。
住宅性能表示制度
国土交通大臣が定めた性能表示の基準と、評価の方法に則って第三者機関(登録住宅性能評価機関)が住宅の性能評価を客観的に行い、その結果を項目ごとに評価して「住宅性能評価書」として交付します。
このように法律に基づき住宅の性能を評価し表示することで、住宅の性能を「見える化」して比較することができるようになりました。
このように法律に基づき住宅の性能を評価し表示することで、住宅の性能を「見える化」して比較することができるようになりました。
住宅紛争処理支援センターの設立
国土交通大臣により指定された公益法人を「住宅紛争処理支援センター」といい、
主な業務は
・住宅建設工事の請負・売買契約に関する相談、助言、苦情処理。
・「指定住宅紛争処理機関」に対する、紛争処理の業務に要する費用負担。
・「登録住宅性能評価機関」から建設住宅性能評価書の交付の為の申請費に含まれる負担金を徴収する。
等です。
中でも「指定住宅紛争処理機関」の業務が重要になるのですが、「建設住宅性能評価書」が交付された住宅に、紛争が発生した場合に紛争のあっせん、調停、仲裁の業務を行います。
紛争処理を申請する際の費用は原則1万円で、紛争処理の対象は評価書に記載された事項に限定されず、多岐にわたります。
双方で合意に至った場合は民事裁判の確定判決と同等の効力が発生することとされており、紛争当事者双方が合意に至らない場合には民事訴訟へと移行することもできます。
主な業務は
・住宅建設工事の請負・売買契約に関する相談、助言、苦情処理。
・「指定住宅紛争処理機関」に対する、紛争処理の業務に要する費用負担。
・「登録住宅性能評価機関」から建設住宅性能評価書の交付の為の申請費に含まれる負担金を徴収する。
等です。
中でも「指定住宅紛争処理機関」の業務が重要になるのですが、「建設住宅性能評価書」が交付された住宅に、紛争が発生した場合に紛争のあっせん、調停、仲裁の業務を行います。
紛争処理を申請する際の費用は原則1万円で、紛争処理の対象は評価書に記載された事項に限定されず、多岐にわたります。
双方で合意に至った場合は民事裁判の確定判決と同等の効力が発生することとされており、紛争当事者双方が合意に至らない場合には民事訴訟へと移行することもできます。
2008年、アメリカでZEHが注目されはじめる
2008年頃、日本で長期優良住宅制度が制定される前に、省エネ住宅として、すでにアメリカでは日本の基準よりもはるかに高い基準のエネルギー収支をゼロ以下にするZEH(net Zero Energy House)が注目されていました。
2009年、長期優良住宅制度の制定
日本では住宅性能表示制度により、耐震性、断熱性、耐久性等10分野での住宅の性能が「見える化」されました。
『長期優良住宅』はこれらの評価の等級に制限を設けることで、長期にわたって優良な住宅と認定する制度です。
例えば耐震性能は3段階のうち等級2か3、断熱性能は4段階のうち最高の等級4とする等です。
『長期優良住宅』はこれらの評価の等級に制限を設けることで、長期にわたって優良な住宅と認定する制度です。
例えば耐震性能は3段階のうち等級2か3、断熱性能は4段階のうち最高の等級4とする等です。
2022年、断熱性能と一次エネルギー消費量の削減率について従来より高い等級が設定される
4月に断熱性能等級5と一次エネルギー消費量等級6が、10月に断熱性能等級6,7が新たに設定されました。
これによって遅れていると言われていた日本の省エネ基準が引き上げられました。
これによって遅れていると言われていた日本の省エネ基準が引き上げられました。
2022年、長期優良住宅制度の改正
断熱性能、最高等級4→5,6,7を新設し、等級5以上を
指定のなかった一次エネルギー消費量の削減率、最高等級5→6へ引き上げて等級6が求められるようになったのが大きな仕様の改正点です。
後は構造の基準が少し変わっているのと、共同住宅の住戸の最低面積が55㎡→40㎡以上と引き下げあれたというのがありますが、大きな改正ではありません。
それ以外には長期優良住宅以外の住宅の税の優遇やローンの控除が少なくなったために、一般的な住宅に比べて割高な長期優良住宅を建築する経済的なメリットが大きくなっています。
指定のなかった一次エネルギー消費量の削減率、最高等級5→6へ引き上げて等級6が求められるようになったのが大きな仕様の改正点です。
後は構造の基準が少し変わっているのと、共同住宅の住戸の最低面積が55㎡→40㎡以上と引き下げあれたというのがありますが、大きな改正ではありません。
それ以外には長期優良住宅以外の住宅の税の優遇やローンの控除が少なくなったために、一般的な住宅に比べて割高な長期優良住宅を建築する経済的なメリットが大きくなっています。
これからの省エネ住宅
2022年の「断熱性能」や「一次エネルギーの消費量」の基準を見直すことで、省エネルギー性が強化されました。
2030年、新築住宅・建築物についてZEH基準の省エネ性能の確保、
2050年、ストック平均でZEH基準の省エネ性能が確保されるという政府の取り組みがあります。
今後新築する住宅にはZEH基準が標準となってくる上に、既存住宅にも改修が求められることも考えられます。注文住宅の建築を検討する時には省エネについても設計者などの専門家とじっくり話し合ってください。
2030年、新築住宅・建築物についてZEH基準の省エネ性能の確保、
2050年、ストック平均でZEH基準の省エネ性能が確保されるという政府の取り組みがあります。
今後新築する住宅にはZEH基準が標準となってくる上に、既存住宅にも改修が求められることも考えられます。注文住宅の建築を検討する時には省エネについても設計者などの専門家とじっくり話し合ってください。
執筆者略歴
[執筆者 / 監修]
三浦喜世
一級建築士
2007年から一級建築士事務所YMa主催
大阪、兵庫を拠点として店舗、注文住宅、共同住宅等の設計及び監理を行う。
[受賞歴]
リノベーションアイデアコンペ 視点特別賞 受賞
東京デザイナーズウィークプロ作品展 出展
Design Competition in Kainan 入選
デザイントープ小論文コンペティション 入選
三浦喜世
一級建築士
2007年から一級建築士事務所YMa主催
大阪、兵庫を拠点として店舗、注文住宅、共同住宅等の設計及び監理を行う。
[受賞歴]
リノベーションアイデアコンペ 視点特別賞 受賞
東京デザイナーズウィークプロ作品展 出展
Design Competition in Kainan 入選
デザイントープ小論文コンペティション 入選