
大阪市都島区にやってきました
厨房とプレハブ冷蔵庫・冷凍庫、事務所で構成される、多店舗展開している飲食店のセントラルキッチンの施工現場です。
セントラルキッチンとは言っても、この店舗でも販売を行うので、デザインにも少しこだわりたいというところなのですが、このプロジェクトは予算優先です。
設計も厨房設備を優先して進めてきたので、この段階では施工現場で気になるのは給排気、給排水、電気等の設備の仕込みです。
本日はフードの排気やエアコンを中心とした給排気設備の仕込みの様子を見に来ました。
厨房機器の火力が大きいので、比例して排気量が大きくなり、エアコンが効かないだろうということが想像されます。 対応としては、飲食店の厨房ではよく採用されるやり方なのですが、厨房全体をエアコンで冷やすのではなく、ピンポイントで冷気を人に当てる方法で計画しました。

最初の写真とあわせてご覧ください
壁沿いの2本のダクトはフードの排気用、ライトで光ってわかりにくいのですがさらに奥のコンクリートの壁沿いにもフード排気が2本直接外に出されています。見るからに排気量が多そうですね。
右奥のクーラーから4本出ているふわふわの断熱材がまかれたダクトがスポットクーラーで、この排気量に負けずに、要所に吹き出し口を設けて従業員さんの体を冷やしてくれます。
極力既存のスリーブを使用していますが、配管が外へ出ているこのコンクリートの壁は構造壁ではないので開口してもだいじょうぶということで建物オーナーから許可をいただいています。
これで給排気はだいたいの配管は完了しているので、天井下地をしてから電気工事に移ります。
床を見るとコンクリートブロックに囲われた部分があるのですが、これが厨房区画です。
この区画を防水してから給排水設備、ガス設備の仕込が始まります。
仕上工事と違って目に見えて工事が進んでいることが確認しづらい設備工事は地味ですが、手抜きのできない大切な工事です。
通常のお客さんの入る店舗でも、最低限必要になる部分として設備工事の予算を押えてから、デザインに予算を分配していきます。契約前の見積の金額調整もデザインに関することが多くなります。
機能優先のセントラルキッチンで、どこまでデザインに費用をさけるでしょうか?
セントラルキッチンとは?
原材料の配送や保存、調理作業等の効率化を図りコストを抑えることを目的として作られますが、特にECサイトでの販売も行っている店舗では有益です。
実際には、倉庫の一角で2~3坪ほどの面積でスープの調合だけを行う小規模なセントラルキッチンもあれば、100㎡以上の面積を使って事務所兼セントラルキッチンで店舗の本社としての機能を持ちながら、個別販売するカウンターまで設ける場合もあります。
セントラルキッチンは様々な目的をもって作られます。
現状一店舗しかなくても、事務所の一角に簡単なドライキッチンでセントラルキッチンを作った例もあります。
多様な形態を持つセントラルキッチンは、店舗経営を大きく変える可能性を持ったツールになり得ます。オペレーションに行き詰った店舗オーナーの方は一考の価値ありです。