『砕石パイル工法』、聞きなれない言葉だと思いますが、地盤改良工事の工法の一つです。
住宅は基礎を介して地面の上に立っています。どんなに強い建物を建てても、その地盤となる土地が軟弱だと※不同沈下を起こして建物が傾いてくる可能性があります。
その為、地盤が軟弱な場合は、建築工事の前に地盤改良工事を行って地盤を補強しておきます。
その地盤改良工事の工法の一つである『砕石パイル工法』について解説します。
※不同沈下とは、建物の重みによって地盤や建物が不ぞろいに沈んでいく現象です
地盤調査と地盤改良工事
注文住宅を建てようと計画されている皆様、良い土地が見つかったら契約前にその土地の地盤強度も調べておきましょう。
調べる方法にはいろいろありますが、あなたのお家づくりのパートナーに相談してみてください。土地の契約前に地盤の状態まで調査することで、地盤改良工事の予算も住宅建築費用の中に組み込んでおくことができます。
ハウスメーカーも建築会社も、契約を取る為に一件安く見える工事見積を作成しがちです。建築工事費を安く見せる方法の一つとして、地盤改良工事費を見積もりに含んでいない建築会社は多いかもしれませんが、地盤改良工事は想定外の出費ではありません。
SWS試験等で地盤調査をしなければはっきりした判断はできませんが、近隣の地盤のデータを調べることもできます。SWS試験も5万円程度の費用でできますし、事前の調査はしておきましょう。
●地盤調査と地盤改良工事
調べる方法にはいろいろありますが、あなたのお家づくりのパートナーに相談してみてください。土地の契約前に地盤の状態まで調査することで、地盤改良工事の予算も住宅建築費用の中に組み込んでおくことができます。
ハウスメーカーも建築会社も、契約を取る為に一件安く見える工事見積を作成しがちです。建築工事費を安く見せる方法の一つとして、地盤改良工事費を見積もりに含んでいない建築会社は多いかもしれませんが、地盤改良工事は想定外の出費ではありません。
SWS試験等で地盤調査をしなければはっきりした判断はできませんが、近隣の地盤のデータを調べることもできます。SWS試験も5万円程度の費用でできますし、事前の調査はしておきましょう。
●地盤調査と地盤改良工事
地盤調査(SWS試験)
建物を建築する前には地盤調査によって地盤の強度を調べます。
戸建住宅等の比較的小規模な建築物の場合、地盤調査はスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)という比較的地盤の浅い部分を調べることのできるもので行います。
SWS試験とは、地盤に垂直に突き刺したロッド(鉄の棒)の沈み方から、その地盤の強度を測定するものです。
建物の規模や形状、地盤の状態によっても変わりますが、一般的な戸建住宅では基礎が配置される範囲の4隅と中央の5ポイントを調査して、その位置の支持地盤の深さを調査します。
この調査にかかる費用は5万円程度です。
戸建住宅等の比較的小規模な建築物の場合、地盤調査はスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)という比較的地盤の浅い部分を調べることのできるもので行います。
SWS試験とは、地盤に垂直に突き刺したロッド(鉄の棒)の沈み方から、その地盤の強度を測定するものです。
建物の規模や形状、地盤の状態によっても変わりますが、一般的な戸建住宅では基礎が配置される範囲の4隅と中央の5ポイントを調査して、その位置の支持地盤の深さを調査します。
この調査にかかる費用は5万円程度です。
地盤改良工事のリスク
この地盤調査の結果によって敷地の地盤改良工事の要否を判定します。
戸建住宅の場合、地盤改良工事には地盤の状態によって、主に表層改良と柱状改良という2種類の方法がありますが、表層改良で30万円程度、柱状改良で60万円程度かかります。
戸建住宅の場合、地盤改良工事には地盤の状態によって、主に表層改良と柱状改良という2種類の方法がありますが、表層改良で30万円程度、柱状改良で60万円程度かかります。
六価クロムによる地盤汚染
従来の工法では地盤改良工事で使用するセメントから六価クロムと言う有害物質を溶出させてしまいます。
六価クロムは発がん性があるとされていて、溶出量の基準値が定められています。
メーカーからも六価クロムの溶出を十分に抑えることのできる、六価クロム対応型のセメントが開発されてはいますが、六価クロムの溶出を基準値以内におさえることはできたとしても、溶出量を完全に0にすることはできません。
●地盤改良と六価クロムによる土壌汚染
六価クロムは発がん性があるとされていて、溶出量の基準値が定められています。
メーカーからも六価クロムの溶出を十分に抑えることのできる、六価クロム対応型のセメントが開発されてはいますが、六価クロムの溶出を基準値以内におさえることはできたとしても、溶出量を完全に0にすることはできません。
●地盤改良と六価クロムによる土壌汚染
杭の撤去工事の負担
住宅を建てるという事は、将来その住宅を解体するという事になります。住宅を解体する場合に見逃しがちなのが地中埋設物である地盤改良杭です。
この地盤改良杭は産業廃棄物として扱われることになるので、撤去が必要になります。
今は不動産の鑑定で、地中も評価の対象とされているので、地盤改良杭等の地中埋設物を残したままだと土地がマイナス評価になってしまいます。
一般的な戸建住宅の柱状改良で200万円以上と言われる莫大な撤去費用がかかってくることになります。
建物を解体して土地だけ売却する場合でも、(まったく同じ配置で住宅を建てるのであれば別ですが)建て替えの場合でも、どちらにしてもこの撤去費用は住宅の所有者の負担になるのです。
この地盤改良杭は産業廃棄物として扱われることになるので、撤去が必要になります。
今は不動産の鑑定で、地中も評価の対象とされているので、地盤改良杭等の地中埋設物を残したままだと土地がマイナス評価になってしまいます。
一般的な戸建住宅の柱状改良で200万円以上と言われる莫大な撤去費用がかかってくることになります。
建物を解体して土地だけ売却する場合でも、(まったく同じ配置で住宅を建てるのであれば別ですが)建て替えの場合でも、どちらにしてもこの撤去費用は住宅の所有者の負担になるのです。
『砕石パイル工法』による地盤改良工事のメリット
そこで、当事務所がお勧めしている地盤改良工事の工法の一つが『砕石パイル工法』です。
従来のセメントを使った地盤改良工事よりもやや高額になることもあるかもしれませんが、この工法の特徴とメリットを解説します。
従来のセメントを使った地盤改良工事よりもやや高額になることもあるかもしれませんが、この工法の特徴とメリットを解説します。
『砕石パイル工法』による地盤改良工事とは
小さく砕いた天然石(砕石)を柱状に地面に埋めてパイル(石柱)を形成し、支持地盤まで到達させ、地盤補強する工法です。
セメント等の固化材を用いずに地盤の支持力を高めることができる上に、地震等の揺れに強く、水はけも良いので、液状化にも強くなります。
セメント等の固化材を用いずに地盤の支持力を高めることができる上に、地震等の揺れに強く、水はけも良いので、液状化にも強くなります。
セメント等の固化材を使用しないので六価クロムによる地盤汚染の危険がない
従来の工法では、地盤改良工事はセメント系の固化材を現場の土と混ぜて固める為、六価クロムと言う有害物質が地中に溶出します。
砕石パイル工法では、固化材を使わず砕石だけを締め固めてパイル(石柱)を形成する為、六価クロムによる地盤汚染の可能性はありません。
●地盤改良と六価クロムによる土壌汚染
砕石パイル工法では、固化材を使わず砕石だけを締め固めてパイル(石柱)を形成する為、六価クロムによる地盤汚染の可能性はありません。
●地盤改良と六価クロムによる土壌汚染
敷地の売却時や住宅の建て替え時に撤去の必要がない
砕石パイル工法では、地中埋設物が自然材料である砕石だけなので、従来の工法とは異なり、産業廃棄物とはならず撤去の必要がありません。
200万円以上ともいわれる撤去費用のことを考えると、施工費が多少高くても砕石パイル工法を選択する価値はあります
200万円以上ともいわれる撤去費用のことを考えると、施工費が多少高くても砕石パイル工法を選択する価値はあります
『砕石パイル』工法の大きなメリット2点のまとめ
砕石パイル工法の最大のメリットは産業廃棄物にならないので撤去費用がかからないという事になると思います。200万円とも300万円ともいわれる撤去費用が不要になるというのは大きなメリットです。
さらに、土壌汚染の心配がないという事です。六価クロムによる土壌や地下水の汚染がひどいと、浄化しなければならなくなったりすることもあるかもしれません。
家を建てるという行為は少なからず環境に影響を与えるものです。安全で安心した生活を送る為に少しでも環境を破壊しない工法を選びたいところです。
さらに、土壌汚染の心配がないという事です。六価クロムによる土壌や地下水の汚染がひどいと、浄化しなければならなくなったりすることもあるかもしれません。
家を建てるという行為は少なからず環境に影響を与えるものです。安全で安心した生活を送る為に少しでも環境を破壊しない工法を選びたいところです。
まとめ
ハウスメーカーを含む多くの住宅建築会社の建築工事費用の見積もりには、地盤改良工事は組み込まれていないことが多いのではないでしょうか?
これには、契約を取る為に最初の見積もりを安く見せようという意図が見られます。
しかし、地盤改良工事も50万円以上かかる工事になるので、無視できる金額ではありません。お家づくりプロジェクトの最初から考えておくべき項目です。
さらにその工法もいくつかの中から選択することができるのです。
初期費用や撤去費用、環境への影響等の様々な要因を考慮に入れて良い選択をする為には、余裕を持って情報を集め、事前に計画しておく必要があります。
これには、契約を取る為に最初の見積もりを安く見せようという意図が見られます。
しかし、地盤改良工事も50万円以上かかる工事になるので、無視できる金額ではありません。お家づくりプロジェクトの最初から考えておくべき項目です。
さらにその工法もいくつかの中から選択することができるのです。
初期費用や撤去費用、環境への影響等の様々な要因を考慮に入れて良い選択をする為には、余裕を持って情報を集め、事前に計画しておく必要があります。
執筆者略歴
[執筆者 / 監修]
三浦喜世
一級建築士
2007年から一級建築士事務所YMa主催
大阪、兵庫を拠点として店舗、注文住宅、共同住宅等の企画・デザイン・設計及び監理、中古住宅やマンションのリノベーション、オリジナル家具のデザイン・製作等を行う。
[受賞歴]
リノベーションアイデアコンペ 視点特別賞 受賞
東京デザイナーズウィークプロ作品展 出展
Design Competition in Kainan 入選
デザイントープ小論文コンペティション 入選
三浦喜世
一級建築士
2007年から一級建築士事務所YMa主催
大阪、兵庫を拠点として店舗、注文住宅、共同住宅等の企画・デザイン・設計及び監理、中古住宅やマンションのリノベーション、オリジナル家具のデザイン・製作等を行う。
[受賞歴]
リノベーションアイデアコンペ 視点特別賞 受賞
東京デザイナーズウィークプロ作品展 出展
Design Competition in Kainan 入選
デザイントープ小論文コンペティション 入選