飲食店では厨房のデザインを避けて通ることはできません。
この店舗はこだわりの厨房で、区画された厨房内でも調理コーナーとドリンクコーナーで区画がわかれています。厨房内で防水区画とそうでない部分がわかれているんですね。
この店舗はクローズドキッチンで、客席と厨房を完全に仕切っているのですが、その厨房の中でも調理コーナーはウェットキッチン、ドリンクコーナーはドライキッチンとキッチンとその仕様を変えています。
どういうメリットがあるのかというと、防水区画はグリストラップを含む排水配管があるために客席よりも床が25cm~30cm程高くしなければいけません。排水配管の上からモルタルを打って床を作るわけですね。
床に水を流して清掃したい調理場と、客席との段差をなくしてサービス動線を優先したいドリンクコーナーを分けることでオペレーションのストレスを無くし効率化しようというコンセプトです。
客席も厨房と同じように床をあげれば防水区画ともフラットになるのですが、元々の建物の構造で階高は決まっているので、床を上げた分客席の天井高が低くなってしまいます。
理想を言えば客席と厨房の床の高さをそろえたいのですが、できるだけ客席の天井高は確保したいので、厨房との床高に差ができてしまうことが多くなってしまうのです。
オープンキッチンの場合は、お客様の目線より店員の目線を低くしておきたいという要望もよくあるのですが、階高に余裕があるか、全席掘りごたつで客席を低くしてもいいような状況でないと床の高さの調整は厨房の防水の関係で難しいですね。
飲食店では外観や客席のインテリアデザインに目が行きがちですが、厨房の仕様は大切にしたいところです。 肝心の料理を提供する場であり、働く場でもあるのですから当然なのですけれどもね。