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木造2階建てハイツ、建て方検査

外観

兵庫県加古郡播磨町で建築中の木造2階建てのハイツです。
棟上げが終わったら建物の形がだいたいわかるようになってきました。
さすがにこの規模の建物が建つと周辺のイメージがガラッと変わりますね。車で来たのですが、思わず通り過ぎてしまいそうになりました。

マンションの分類 共同住宅?長屋?寄宿舎?

共用部
この建物の用途は共同住宅のように見えますが、建築基準法上の分類は長屋になります。
共同住宅は共用のエントランスや廊下、階段などの共用部があり、長屋は外部から各室に直接アクセスすることのできるつくりになっています。(キッチンや浴室などの一部を共有するタイプの建物は寄宿舎に分類されます)

共用廊下のように見えるこの玄関扉が並ぶ空間も、前面道路から敷地内通路を介して直接それぞれの住戸にアクセスできるようになっています。
2階へのアクセスは、それぞれの玄関扉を入った専用部内に各戸専用の階段が設置されます。
というわけで共用部分を持たないので用途上の分類は長屋になるのです。共同住宅だと特定建築物になるのですが、特定建築物にならない長屋は少し法的な制限が緩くなります。
長屋とするためには、共用部を持たないようにプランを調整しなければいけないのと、道路からのアクセスなどに条例などで規制がかかることもあります。
どちらをとるかというところで、計画の初期から法的なことも含めて共同住宅にするのか長屋にするのか、プランを調整しながらデザインを進めていくのです。

中間検査の主なチェック項目は?

中間検査
この日はあいにくの雨ですが建て方の中間検査です。申請機関による柱や梁などの構造体、耐力壁に金物なんかの現場検査を受ける日なのですが、検査の日に雨が降ること多いんですよね。
柱や梁はイメージがつきやすいと思いますが、耐力壁とはどういったものでしょう?
実際に現場写真を見てみましょう
わかりやすいものとしては筋交いです。写真のように柱と柱の間を木材を斜めにかけることで補強するのですが、写真のようなタスキ掛けの他に片筋交いがあります。
耐力壁にはもう一つ構造用合板を貼ることで壁を補強するタイプのものもあります。これは主に外壁沿いのサイディングの下地を構造用合板にして壁量を確保していきます。

そして柱と梁を固定する金物も主な検査の対象です。
建物に水平荷重が加わったときに、耐力壁を中心として柱に引抜力が発生します。耐力壁を適切に配置していても、引抜力によって先に柱が破壊されてしまっては意味がありません。
そこで引抜力に抵抗するために柱を金物で固定するのですが、この金物も竣工後は隠れて見えなくなるために中間検査でチェックするのです。

もちろんこれらのことは設計監理者と施工者でチェックをしながら施工をしているのですが、申請機関の検査員も現場にチェックしにくるのです。

あと、地盤面から1メートル以内の土台や柱等の木材は防腐防蟻処理を行います。
この処理は工場で木材に薬剤を注入したものを使用することが多いですが、現場で薬剤を塗布することもできます。工場で薬剤を注入したもののほうが品質が安定するのでしょうね。
防腐防蟻処理にも等級があるのですが、当事務所ではK3以上を推奨します。
防腐防蟻についてはまた別の記事で紹介したいと思います。

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