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建築家(設計事務所)との家づくりはどうやって進めるの?費用は?期間は?

建築家(設計事務所)との家づくりはどうやって進めるの?費用は?期間は?

建築家(設計事務所)との家づくりは敷居が高いと思われていたのではないでしょうか?
ところが今では、建築家プロデュース会社が増えたり、インターネットの普及等もあって建築家との出会いが身近になってきたように思います。
ほとんどの設計事務所が自社のサイトを持ち、インターネットで検索するだけで多くの設計事務所を比べることができるし、ショッピングモールでは建築家との家づくりをプロデュースするイベントが行われていたりしています。
建築家との家づくりはハウスメーカーや工務店と住まいづくりをするという選択肢に並んでだいぶ親しみやすくなってきているのではないでしょうか。
とはいっても何となくとっつきにくいと思われていたり、どういった流れで出会い、相談し、家づくりを進めていくのかわからないという方は多いと思います。
ここでは建築家との家づくりの進め方(フロー)を見ていくことにします。

最初は建築家との出会いから家づくりの相談までです

まずは建築家と出会わなければ始まりません。
先述の通りプロデュース会社等が増えてくるのに伴って、実際に建築家と家づくりについて直接話すことのできるイベントなんかも増えてきています。これは建築家との家づくりを身近にしてきた要因ではあると思うのですが、できればプロデュース会社等の第三者を介せずに直接設計事務所にコンタクトをとれればいいなと思います。その一番の理由は、経費が掛かることです。
建築家に家づくりを依頼するメリットの一つに、ハウスメーカーのように宣伝広告費をかけていないために、純粋に建築にかけることのできる金額が多くなるというのがあります。

※詳しくは 設計事務所に家づくりを依頼するメリット を参照

それなのに多額の宣伝広告費を使っているプロデュース会社を通してしまうと、その直接家づくりに当てられない経費が上乗せされてしまうのです。なんだかもったいない気がしてしまいます。
時間はかかるしわからないことだらけで大変なのですが、最初はインターネットで検索して気になる設計事務所を探してみたり、つてがあるのであれば知人に紹介してもらうなどもいいかもしれません。
手軽さと合わなかったときの断りやすさを考えれば、自分でインターネットを検索することをお勧めします。ただし、これって結構時間がかかることなので、建築家との家づくりを選択肢の一つに持った時にできるだけ早いタイミングで、前もって情報を集めておきたいところです。日頃からアンテナを張っておけばいざというときにスムーズに建築家に相談することができると思います。
時間がなかったり、何を基準に建築家を選んだらいいのかわからないという方はプロデュース会社を頼ってもいいかもしれません。少し経費はかかりますけどね。

ある程度目当ての建築家を絞れたら、設計事務所を訪れて面談してみましょう。
あなたの住まいに対する思いを話し、予算も伝えてみてください。高くつきそうと思われがちな建築家との家づくりですが、ハウスメーカーなどと比べてみても意外とそうでもないものです。ローコストでも請け負ってくれる建築家も多くいます。

※設計事務所に家づくりを依頼するメリット ではハウスメーカーや工務店との比較も交えながら解説しています。

また、敷地が決まっていない場合、敷地探しからお願いできるか確認しましょう。
当設計事務所は敷地探しや中古マンションなどの物件探し、ローンのお手伝いもさせていただいています。

建築家とは設計から住まいの竣工まではもちろん、その後のメンテナンスも含めて長い付き合いになります。感性や金銭感覚が合うかどうか、これから大切な時間を共有できそうかしっかり考えましょう。当事務所では相談は無料で行っており、面談の後で断っていただいてもだいじょうぶですよ。


●設計事務所に家づくりを依頼するメリット

●道路と敷地の関係(敷地購入時に気にしておくべきこと)

ヒアリング~プレゼン

家づくりのパートナーとなる建築家と出会うことができたらヒアリングです。
生活スタイル、家族構成、予算等の要望をふわっとしたイメージでもいいし、写真などを見せてもらってもいいです、理想を建築家に伝えましょう。
ただ、予算についてはこの段階できっちり押さえることは難しいので当事務所では、提案する住宅の延べ床面積を設定するための情報として扱います。
参考に新築住宅だと木造で60万円/坪、鉄骨造で70-80万円/坪、鉄筋コンクリート造で90万円/坪以上、マンションリノベーションのばあいは40-45万円/坪、ぐらいを目安に提案する住宅の規模を想定します。
もちろんその住宅の仕様によっては高くなったり安く抑えることができたりと金額は大きく変動します。
設計監理料ですが、当事務所では6万円/坪として最低金額を200万円と設定させていただいております。
その他、外構や空調などの設備、登記や確認申請・検査、引っ越し等の費用が掛かってくるのでこれらも考慮する必要がありますが、要望を伝えたらまずはプレゼンをしてもらいましょう。

当事務所ではプレゼン資料の作成にだいたい2週間くらい時間をいただいています。
伺ったご要望の他、敷地周辺の環境や法的な規制、水道などのライフライン等を調査し、配置図、平面図、立面図、断面図、パースや模型などを使って建築主にプレゼンします。
もちろん、この後も家づくりのパートナーとして引き続き選んでいただけるようにアイデアを出していますが、このプレゼンテーションから費用を発生させていただいています。
設計事務所としてはプレゼンだけで終わっては割が合わず、建築主にとっては真剣に採用を検討していただくために、当事務所ではプレゼンテーション料として5万5千円(税込)を設定しています。
もちろんこのプレゼンテーション料は設計監理契約を結んでいただいた場合は設計監理料に含ませていただきます。
ここで次の段階に進まないという判断をされた場合のみ発生する費用です。この場合、プレゼンに使用したデザインやプランの転用は禁止とさせていただきます。

プレゼンに納得していただければ設計監理契約を結ぶことになるのですが、もちろんプレゼンのデザインでそのまま住宅を作らなければいけないということではありません。
この後も長い時間をかけてこの提案をブラッシュアップさせていくことができるかどうかも考慮して検討してください。
ここから基本設計、実施設計と本格的な設計に移っていきます。

契約~設計

最初のプレゼンに納得していただけたらようやく設計監理契約を結びます。
この段階まで来たらある程度安心して契約を結ぶこともできるのではないかと思います。
もし不安を感じるようだったら別のパートナーを探してもいいかもしれません。

契約後は1~2週間に1度程度の打合せを行いながら基本設計から実施設計へと進んでいきます。

基本設計では仕上げ表・配置図・平面図・立面図・断面図・設備図等をまとめ、打合せ以外にもメールやラインでやり取りしながら空間のイメージを作り、固めていきます。
その過程ではどんどん新しい要望も出てきて、住まいに対する考え方も変わってくることもありますが、なんでも思いついたことをお伝えください。
1か月程度で基本設計をまとめられるようなスケジュールを組んでいきますが、それ以上かかることもあります。

イメージが固まってきたら施工会社に見積もりをとれるような詳細な図面に仕上げていきます。これが実施設計なのですが、設計の最終段階なので基本設計と実施設計を行ったり来たりしながら、だいたい1~2か月ほどかかります。
打合せを重ねてイメージが固まってきているとはいってもまだまだ悩むことは多いものです。ちょっとした疑問も確認しながら、必要があれば図面を変更していきましょう。
この期間にキッチンなどの水廻りもどうするか決めます。ショールームに行ったり、オリジナルで作ったりということになってくるのですが、メーカーによってもいろいろとあります。
これはこれでまた一つの記事になるくらいの悩みどころになってきます。

もう少しで入札用の設計図書が完成するところまで進んできました。

見積調整

見積用の図面が完成したら数社の施工会社に見積もりを依頼します。
見積もりを依頼する施工会社を建築主と建築家で話し合って決めるのですが、だいたい建築家からの紹介する施工会社、地元の工務店、いればですが建築主のつてによる施工会社の3社で競合となることが多くなります。建築主につてのある施工会社がいない場合は、会社の規模や得意分野の異なるタイプの2社を建築家から紹介することもできます。
ただ、ハウスメーカーや一部の工務店では他社の作成した図面では施工できないということがほとんどです。型にははまると強いハウスメーカーなどではよくあることですが、そういった施工会社は本当の意味での自由設計ではないのかもしれませんね。
建築家に家づくりを依頼する前にどちらを選ぶか、しっかりと検討しておくべきことなのかもしれません。

※こちらも建築家に家づくりを依頼するメリットで話しています。

施工会社から見積もりが出てきても必ずしも安いところがいいわけではなく、判断が難しいところです。現場の管理やアフターケア等よく考えて決めるべきなのですが、その材料として、設計事務所でそれぞれの施工会社の見積もりを項目ごとに分け、作成した見やすくした表に基づいて各会社の特徴を説明します。
施工会社を決めるのは、住宅建築の中でも大きな決断になるのですが、予算に合わせた減額案の提示と、金額の交渉を設計事務所でサポートします。
要望をすべて盛り込むと見積金額は予算を上回ってしまうことが多くなります。
ただ、最初に予算を聞いているので建築家の中には設計図書を作成している段階から予算オーバーは想定の範囲で、減額案も頭の中にはあります。
しかし、予算を理由に初めから要望をつぶさずに、追加予算を工面できるかも検討できればいいかなと思っています。
見積を精査して、要望と金額を比較した上であきらめるものはあきらめる決断をするのがより良い家づくりにつながると思います。
そして、様々な情報を基に建築主主導で施工会社を選びます。

この見積もり依頼から減額案の検討と、施工会社と契約金額の決定まででだいたい1.5~2か月程度見ておいてください。
その間に建築確認申請を行い、申請機関から確認済証を出してもらい着工に備えていきます。


●設計事務所に家づくりを依頼するメリット

着工~アフターケア

施工会社と工事請負契約を結び、確認済証も下りたらばいよいよ工事着工です。
着工すると工事の進捗に伴って後戻り変更できない項目が増えていきます。
現実に進んでいく工事現場はうれしくもあるのですが不安にもなるものです。
その工事の先読みをして、変更すべきところは変更するという対応をするためにも設計事務所の1~2週間に一度の現場監理、施工会社による現場管理は随時行います。
それに合わせて、建築主も参加する定例会議を行うことをお勧めします。
建築家、施工会社と共に建築現場を確認しながら来週の工程の説明を受けて内容を理解するといった工程は満足する家づくりのためには必要です。
日々工事は進捗するので、思ったことはできるだけ早く伝えることが重要になってきます。
建築主、設計者、施工やでグループラインを作っておいてもいいですね

そうこうしているうちに、やがて楽しい家づくりも終わりに近づいてきます。
定例会議と現場確認を重ねて、指定機関の完了検査を受け、竣工・引き渡しを迎えます。
家づくりが終わった寂しさと、新居での生活が始まるワクワク感が同時にやってくる中で引越しです。
この引越し段階でダイニングテーブルなどを含む家具が全部そろっていてもいいのですが、
ここで提案があります。
作り付けの家具は別として、とりあえず前の家で使っていた家具をそのまま使って生活してみてはどうでしょうか?
生活していく中で本当に欲しい家具がわかってくるものです。
竣工後、半年後と1年後に無料で建物の検査を行っています。それによって必要に応じて修繕したりすることもあるのですが、その時に家具を作ってもいいのかなと思っています。
新居での生活を経てから、新しい家具を入れてみてもいいのではないでしょうか?

引越し後でもいつでも連絡をお待ちしております。

最後に

建築家に初めて相談してから竣工まで約1年ほどかかるでしょう。
最初の相談の前に建築家を選ぶところからすればもっと長い時間が家づくりにかかります。
それだけの手間と時間をかけたこだわりの家で楽しい人生を送りたいものです。
アフターもしっかりとケアしていきますので、ちょっとした悩みでもお気軽に連絡いただければと思います。

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