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注文住宅やマンションのボリュームチェック、その目的や手順、料金や期間は?

注文住宅やマンションのボリュームチェック、その目的や手順、料金や期間は?

当設計事務所では敷地調査をしてから、土地売買の契約を結ぶ前にボリュームチェックを行います。
聞きなれない言葉かもしれませんが、「ボリュームチェック」は注文住宅の敷地調査だけでなく、マンションやアパート建築等の土地活用や用地取得にも必ず必要になってきます。
この記事ではボリュームチェックとはどういったものなのか、土地売買にどう役に立つのかを紹介したいと思います。

ボリュームチェックとは?どうして必要?

「ボリュームチェック」とは用途地域や建蔽率や容積率なんかを調べて、その土地にどういう建物を建てることができるのかというのを検討することです。
役所や消防署で関係法令を調査して、注文住宅であれば建築主の希望通りの家を建てることができるのか?賃貸マンションやアパート等の収益物件であれば収支計算の為にどれだけ大きな建物を建てることができて、最大でどれだけの家賃収入を見込めるのかる?といったところをチェックします。

このボリュームチェックを行うには建築に詳しい知識と経験を持っている必要があるので、通常は設計事務所等に依頼して検討してもらいます。
それでは、ボリュームチェックではどういったことをチェックするのか見ていきましょう。


注文住宅やマンション、アパートなどのボリュームチェック、その他の建築相談はこちらへ
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ボリュームチェックとは具体的にどういうことをする?

敷地の情報を集めます

ボリュームチェックのとっかかりとして、まずは敷地の情報を集めます。
建築主からの敷地情報も必要です。不動産案内の資料があればそれを参照しながら前面道路の幅員、用途地域、容積率、建蔽率などできるだけ市役所のサイト、または電話で問い合わせてわかる範囲で調べるようにしています。

本来はその敷地を現地調査して、市役所や消防署などしかるべきところに事前相談に行くべきなのですが、購入の検討用にボリュームチェックしたいというぐらいの感じであればできるだけ手間を省いた調査を行っています。
ボリュームチェックから本格的に敷地の候補を絞り、土地売買の契約をするとなった段階で現地調査や市役所を訪れての調査を行うことで、ボリュームチェックを安価に抑えているのです。

その敷地に建てることのできる建物の大きさを検討する

敷地の情報を集めたら、その敷地に最大でどれくらいの面積で、どれくらいの階数の建物を建てることができるのかを見ていきます。
建蔽率や容積率によって、その敷地に建築できるボリュームが決まってきます。ところがその建蔽率や容積率を消化しきれないこともあるのです。
ここでは詳細な説明は省きますが、建築物の高さについては用途地域によって道路斜線の他、北側斜線、絶対高さ、日影規制が設定されています。さらに市町村毎に設定されている高度地区によっても高さに規制がかかります。
これらの高さの規制によっては容積率をいっぱいまで使って建築を建てることができないこともあります。

耐火・準耐火建築物とは?

建築費に大きくかかわる仕様の中に、耐火建築物、準耐火建築物、その他の建築物という分類があります。
これらは建築基準法において設定された火災に対する耐性の程度を定めた規定による分類なのですが、それぞれの仕様によって建築費が大きく変わってきます。

これは用途地域というよりも、その敷地が防火地域や準防火地域に入っているのか、それとも法22条区域に属するのかということ、それからその建物の床面積や階数等の規模によって定められています。
これらの条件によって耐火・準耐火建築物にする必要があるとなれば、構造躯体の被覆の他、外壁やサッシの仕様が大きく変わってくることになります。これももちろん建築費にかかわってくることなので、初期段階の資金計画に組み込んでおくべき項目です。

採光補正係数が間取りに大きな影響を及ぼします

これは慣れていないと見落としがちなのですが、建築基準法ではリビングや寝室などの居室には採光が取れなければいけません。有効な採光量はその部屋のサッシの取り付く位置によって定められた採光補正係数をその窓の面積にかけたものとなります。
倉庫やトイレ、洗面室等は居室ではないのでいいのですが、特に最上階以外の階の居室では多くの場合では窓が道路に面している必要があります。
この採光に有効な窓の存在も建物のプランに大きな影響を及ぼすものとなります。

その他の法規制

賃貸マンションやアパートの場合は、これに加えて駐車場や駐輪場の附置義務、福祉・その他の条例がかかってくることもあるので、役所に問い合わせてよく確認しておきます。

これらの情報を踏まえてボリュームチェックのプランを作成していきます。

ボリュームチェックの手順

最初に、建築設計事務所に相談してください。
建築の設計までしてもらうつもりでもいいですし、ボリュームチェックだけをお願いするというのでもいいと思いますが、オーナーの意向ははっきり伝えておきましょう。
設計事務所によっては、設計監理契約の締結まで至った場合はボリュームチェックは無料でするところがほとんどだと思いますが、ボリュームチェックだけだと料金がかかってくるのが普通です。
ボリュームチェックの費用は5万円前後、日数は1週間程度かかることが多いと思います。

設計事務所は最初に用地地域や容積率、建蔽率、高度地区等の情報を役所のサイトで調べます。
その情報を基にラフにプランをつくりながら、予定建築物のだいたいの建築面積、延床面積、階数、高さを設定して役所に電話で関係法令について問い合わせるのですが、その前にオーナーに確認することがあります
建築は面積や高さによって関係する法令が変わってくるので、問合わせ前にある程度の予定建築物の規模を設定しておいた方が役所とも協議しやすくなります。
この段階でオーナーにも一度図面を送るので、理想の住宅をつくれそうか?収支が合いそうか?を一緒に確認してください。
理想を実現できなかったり、収支が全然合わないのであればこれ以上作業を進めても意味がありませんから、その場合はここでボリュームチェックは終了です。別の土地を探しましょう。

ここをクリアしたら、役所に電話で問い合わせて建築基準法の他、自治体の条例、前面道路の種別等も確認します。
賃貸マンションやアパートの場合は、さらに駐車場・駐輪場の附置義務やハートビル法に基づく福祉の条例についても必要に応じて確認します。
検討図面にそれらの情報を反映して、ボリュームチェックは完了です。

オーナーがこの土地で契約まで考えられると判断した場合は、念のため役所を訪れて関係法令のチェックの他、開発申請や事前協議・確認申請等の手続きの流れも確認しておきます。
この辺利まで進んだところで、設計見積の他、着工までの設計工程も提出しますので、設計監理契約の締結をご検討ください。

これが大まかなボリュームチェックの手順です。

ボリュームチェックの役割は注文住宅と収益マンションで違う!

今まで見てきたように、注文住宅と収益マンションでボリュームチェックの役割が異なります。
戸建の注文住宅でも、収益マンションでも容積率最大限の建物を建てたほうがベストだとは限りません。
それぞれで見ていきましょう。

理想の空間の検討の為の注文住宅のボリュームチェック

注文住宅のためのボリューム検討
注文住宅のボリュームチェックの場合は最大限の建築ボリュームというよりも、初期のプラン提案の意味合いが強いです。注文住宅の場合、別にその敷地の最大限の容積率を活かす必要はありません。どちらかといえば予算から家の面積は設定されることが多いです。

重要なのは土地契約前にラフにプランを作ってみてその敷地に建築主のイメージがはまるのかどうかを考えないといけません。
「思っていたよりも空間が取れないな」とか「建物の周りに庭や駐車場が取れないな」とかいろんな感想があると思います。すべてにおいて満足いく建築を建てることはなかなか難しいのですが、立地やその土地の価格等いろんな要素を検討項目に加えて、一生に一度の買い物がその土地で手を打てるかどうか、ラフプランを見極めてしっかりと検討してください。

そしてそれはそのまま住宅ローン用の図面にもなります。
当設計事務所では、ボリュームチェック用の図面の他、簡単な見積もりも作成させていただいております。

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収支検討の為の収益物件のボリュームチェック

収益マンションのためのボリューム検討
収益マンションでのボリュームチェックは収支の検討が主になると思います。
どれくらいの面積、階高の建物が建てれるかというところから、どういった部屋がどれくらいとれるかを詳細に検討していきます。
これによって家賃収入の目処を立てることができるので収支計算が行えます。

この収支計算は建築費や不動産売買等の経費も含んで検討するので、収益物件だからと言って必ず建てられる最大のボリュームの建築をするわけではありません。

例えば、エレベーターをつけないようにする為にあえて階数を低く設定して建築費を抑えたり、地域のニーズに合わせて建物の規模を抑えて計画することもあります。
特に階数を低く抑えることは金銭面でのメリットをもたらしてくれます。

日影規制は10m(4階建て)以上からという地域も多いですし、エレベーターを設置しない3階以下であれば安価な木造で建てることが可能だったり、5階以上からは二方向避難と言って階段が二カ所必要だったり、消防のはしご車が届くとされている高さ100尺(約30m、10階建て程度)を基準に建築基準法の規制が厳しくなったりと、高さに対しては段階的に検討事項があります。

初めての不動産投資や予算を抑えたい場合は、まずはできるだけ地位市土地で3階建て以下で検討されてはいかがでしょうか?当設計事務所では収支のバランスを見ながら建物の検討をさせていただいております。

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ボリュームチェックにかかる期間や料金

特別な急ぎの場合を除いて、ボリュームチェックにかかる期間は1週間から10日程度見ておいてください。
料金は当事務所では設計料に組み込んでいますが、契約に至らない場合の事前プレゼンテーションはすべて含んで5万円(税別)とさせていただいております。
当事務所には宅地建物取引士も在籍しています。できれば、土地探しの段階でお声がけいただき、良い関係を築かせていただければと思っています。

ボリュームチェックについてのまとめ

戸建住宅やマンションといった建築のボリュームに限らず、プロジェクトの初期のボリュームチェックは大変重要です。
できればプロジェクトの建築担当者を早く決めて、コンセプト作りや敷地探しから一緒に始めてもらいましょう。いろいろな意見が出てきて前向きに検討できると思います。

執筆者略歴

[執筆者 / 監修]
三浦喜世
一級建築士
2007年から一級建築士事務所YMa主催
大阪、兵庫を拠点として店舗、注文住宅、共同住宅等の企画・デザイン・設計及び監理、中古住宅やマンションのリノベーション、オリジナル家具のデザイン・製作等を行う。
[受賞歴]
リノベーションアイデアコンペ 視点特別賞 受賞
東京デザイナーズウィークプロ作品展 出展
Design Competition in Kainan 入選
デザイントープ小論文コンペティション 入選

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