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リノベーション空間をつくるオーダー建具の話

リノベーション空間をつくるオーダー建具の話

大阪でマンションリノベーションデザイン、設計、施工を行っているYMaです。

マンションのリノベーションという限定された空間でより豊かな生活を送るため、引き戸による空間の接続と分割をテーマにデザインを進めていきました。

このリノベーション現場の玄関から奥のベランダまで続く、居住空間を真っ二つに割る杉板フローリング貼の壁のこちら側と向こう側を意識させる、3枚引戸、2枚引戸、1枚引戸と三カ所に設置する引込戸ができたということで、建具工場に確認にきました。
突き板をカットしてフローリングのように見せた建具です。裏表で仕上げを変えると反りが心配だったので両面同じ突き板貼にしています。

この引戸を計6枚現場に納品しました。

建具製作にかかる前の打合せ時には、もっと壁と一体化させるため、壁だけでなく建具にも突き板を貼ろうと思っていました。突き板ではフローリングのような節が表現できなかったので違和感を感じていたのです。

建具はこのリノベーションデザインの要になる大切な要素だったので悩みました。
極端なことを言えば、壁と一体になるということで言えば、引き戸の段々になる部分もちょっと気になっていたのです。

このリノベーション計画が始まって以来、家具建具工場と協議していましたが、結果的に建具に厚さ12mmのフローリングを裏表に貼ることで、とんでもなく扉が厚くなるということと、費用もとんでもなくかかるということで厚さ0.2mm程度の突き板を貼ることに落ち着きました。
費用のこともあるのですが、扉が厚くなると気になっていた段々がさらに大きくなる上に、部屋が狭くなってしまうという弊害もあったので、、、
もっと言えば、そんな扉厚に対応した引き戸のレールもなかったので。。。

この現場に限らず、リノベーションの現場ではあらかじめ与えられた床面積を有効に使うことが求められます。扉厚30mmほどの建具三枚で100mm程度の厚みが必要ですが、それももったいないですからね。
戸建住宅のリノベーションであればまだ増築するという選択肢もあるのですが、マンションのリノベーションの場合は増築など許されません。当然限られた面積でデザインするわけですが、そうなるとできるだけ廊下に使う面積を少なくし、部屋と部屋の関係を大切にしたゾーニングが求められます。

今回は居住空間を真っ二つに割る壁で仕切った上で、リビングを中心に据えて、できるだけ大きな開口を持つ引き戸で個室がつながっていくイメージを持って設計しました。
65㎡程度の3LDKのマンションの一室で個室らしい個室は一室だけで、大開口でつながる個室のような場所は、リビングでもあり寝室でもあり書斎でもある、思いつく限り自由に使える空間となりました。

パブリック空間とも呼べるリビングとその個室空間との間には、玄関から最奥のベランダまで、専有部分を真っ二つに仕切る壁を挿入しています。
床のフローリングと同じ杉板貼のその壁は、可動間仕切りとなると同時に、このリノベーションデザインのコンセプトの根源ともなり、同時にアクセントにもなっています。

当然、この壁に設置する建具にはこだわりを持っていました。

オーダー建具や家具がつくる、インテリアデザインの可能性を感じていただければという今回のブログでした。

リノベーション


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