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飲食店の厨房のサービス動線の問題を、オーダー家具で解決してみた

飲食店の厨房のサービス動線の問題を、オーダー家具で解決してみた

既存店舗の営業中の様子を見学させてもらうことから始まり、サービス動線については相当な時間を割いてオーナーと話し合ってきました。

既存店舗の厨房は広く、料理担当者もホール担当者も大人数で回しています。 しかし今回設計する店舗では既存店舗とは違い、オペレーションに携わる人数は最大で料理担当が2人、ホール・ドリンク担当が2人、場合によってはもっと少ない人数で回す予定です。

厨房内の作業効率について考える

人数が少ないので厨房も狭いのですが、その分作業の効率化が求められます。
前回のブログでも書きましたが、クローズドキッチンの料理コーナーにのみ防水することで、料理コーナーとドリンクコーナーの床高に段差はできますが、ドリンクコーナーはホールと同じ床高にすることができます。

これによってホールとドリンクコーナーのつながりを改善することはできますが、他には料理の受け渡し、下げてきた洗い物の置き場を工夫したいということにもなります。
ピーク時には盛りつけた料理をどのようにホールスタッフに渡すのか?シンクに入りきらない洗い物はどうしておくのか?他のどの店舗でも課題になるところです。

この店舗の厨房では盛りつけた料理をトレーにのせてそのまま置いておける場所が欲しいということです。
次に出す料理をテーブルごとに分けてトレーにのせておけば、ホールスタッフはそれをもって行くだけですみますから効率的ですね。
クローズドキッチンなので、下げてきた食器はトレーを持って行くことで空いたところに置いておけばいいのです。

配膳前の料理、洗い物をのせたトレーの置き方を考える

厨房のオーダー家具
コンセプトはシンプルなのですが、これを実現するにはトレーを置く場所を多く作る必要がありました。ただし、調理スペースを圧迫しては意味がありません。
トレー置き場のデザインを検討することになりました。

いくつか提案したのですが、採用されたのは店舗で使用しているトレーの形状に合わせて家具を製作してトレーを収納できるようにしたものです。
このトレー置き場は洗い物のストックというよりも、仕込み料理のストックのために設けた感じで、厨房機器メーカーのストッカーにインスパイアされて作りました。
当設計事務所では家具の提案の際には段ボールでモックアップを作っているのですが、写真がそのモックアップです。

箱型の中にLアングルを取り付けてトレーを置いていきます。
高いものやら低いものに合わせて自由な位置にトレーを置くことができます。
箱の向こう側から盛りつけた料理を置いていき、こちら側からホールスタッフがどんどん配膳していきます。

オーダー家具の納品

厨房のオーダー家具
実際に納品したオーダー家具です。
モックアップで確認していただいていたので、動線の確認を行ってもらいます。
家具の配置も検討を重ねて決定しました。この可動棚の下は作業台やシンクになっていて、作業台でで盛り付けた料理を、トレーのまま上の棚に置いたり、下げてきた洗い物をシンクの上に置いておくことができます。

効率化を求めた厨房内の家具ですが、これによって仕込みから配膳までの手間が少しでも省けたら嬉しいです。

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