BLOGブログ

飲食店舗のこだわりの塗り分け左官壁(ジョリパットの版築仕上げ)

飲食店舗のこだわりの塗り分け左官壁(ジョリパットの版築仕上げ)

ジョリパットとは

耐久性や機能性に優れた左官仕上げの仕上げ材です。
インテリアだけではなく、住宅や店舗等の外壁にも使われる意匠素材です。
モルタルなどの左官材料と同じようにコテで仕上げることもできるし、専用の櫛で仕上げる櫛引の他、ローラーで仕上げる方法の他吹き付け仕上げもあり、仕上がりのパターンは多彩です。

「ジョリパット」はアイカ工業の製品名なのですが、フッコーの「マジックコート」、エスケー化研の「ベルアート」といったものが同じような性能を持つ装飾仕上塗材として商品化されています。
アイカ工業の「ジョリパット」の名前が通っているのですが、メーカーが違うだけでほとんど同じような左官塗材がいくつかあるのです。

こういった一つのメーカーの商標が通ることってよくあります。
例えばTOTOの「ウォシュレット」は一般的に使われていますが、TOTOで作られたもの以外の類似品は正式には「シャワートイレ」とか「温水洗浄便座」と呼ばれています。
似たようなものに家具の仕上げ材によく使われるメラミン化粧合板を「デコラ」と呼んだりもします。

「ジョリパット」とはペンキ等とは違い、材料に厚みがあり、表面に模様や立体感を付けられるため、デザイン性の高い仕上げ材として人気のある材料となります。

ジョリパットの施工事例

こちらの店舗では、プロジェクトの初期から壁は左官仕上げにしたいという要望があました。色も素材もこだわりの壁です。
そこで、モールテックスやプラネットウォール等、メーカーで色見本を製作してもらったりして検討していましたが、なかなか決まりません。

壁の面積が広く、モールテックスでは予算が合いません。
プラネットウォールはベースがしっくいなので原色に近い色には調色できないというし、、、
お手頃な材料で、過去にも採用することが多い材料だったので避けていたのですが、
「ジョリパットも見てみましょうか?」
ということでショールームを訪れました。
そのショールームで目に留まったのが版築風に仕上げられたサンプルです。

奈良県大和郡山市の飲食店

ところがこの版築風の壁はジョリパットではあるのですが、自然土を利用した爽土というシリーズから選ばなければならなくて、これも自然素材なので原色に近い色が出ないのです。
だったら普通のジョリパットで仕上げを分けて塗り分けてみたらいいんじゃないかと言うことで意見が落ち着いたので、まずは色と大雑把な仕上げの検討から始めました。

奈良県大和郡山市の飲食店

色と仕上げを指定すると1週間程度でメーカーからサンプルが届きます。
実際に壁に塗るのは職人さんの手作業になるので、全くこの通りにするのは難しいので、色はしっかりと決めて、仕上げはだいたいの方向性を決めたら材料の発注です。


奈良県大和郡山市の飲食店

材料が届いたら本格的に塗装する前に、一面だけ塗ってもらいました。
色は同じなので、粗いところは骨材を大目に入れて、仕上げの違いを出すのは職人さんのコテさばき頼みです。
乾かしてみないとはっきりしたところが分からないのですが、こんなものかなというところで本日は終了。
翌日から本格的に塗っていきます。


奈良県大和郡山市の飲食店

いよいよ塗装の日です。
職人さんが来るまでに前日に塗ってもらったサンプル壁の乾いた状態と、壁に鉛筆で描いた塗り分けのラインの最終チェックです。

全て決まったら後は塗ってもらうだけです。
2日かけて全部塗り終わりました。

奈良県大和郡山市の飲食店

いかがでしょうか?参考にしていた版築の壁よりもいい感じに仕上がったと思いませんか?
同じ色でありながら仕上げでアクセントをつくる、なかなか落ち着いたいい店舗になりそうです。

SHARE!

BLOG TOP