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積層フローリングって何?

積層フローリング

前回の無垢フローリングに続いて積層フローリングについて解説をしていきたいと思います。

無垢フローリングについて知りたい方や、フローリング全体を掘り下げたい方はこちらの一つ前の記事もご覧ください。
無垢フローリングって何?

積層フローリングの種類

積層フローリングとは薄い板を木目が互い違いになるように重ねて作られたフローリングで、複合フローリングと呼ばれたりもしています。
ベニヤ板の表面に仕上材を貼り付けたフローリングだと認識してもらってだいじょうぶだと思います。
このような互い違いの性質上、膨張や収縮をしにくく寸法を維持しやすいので床暖房に使いやすかったり、マンション用にフローリングの裏側に緩衝材を貼り合せ、防音加工したものもあったりと機能的に様々なものが開発されています。

そんな積層フローリングですが、仕上材により2種類に分かれると考えています。
そのふたつの仕上材は、突板とプリント合板です。
当事務所では設計事務所という職業病といいますか、少しでも木(素材)の質感が感じられる素材を選ぼうとするので検討するフローリング材の優先順位は、
出来れば無垢フローリング、その次に突板フローリング、最後にプリント合板といった感じになります。
この順番に素材の質感がより強く感じられるのですが、メンテナンスは逆にプリント合板が一番楽になります。
この後は突板フローリングとプリント合板の特徴について見ていきたいと思います。

突板フローリングの特徴

突板フローリングは表面0.2~0.3mm程度だけですが、積層合板の上に薄くスライスした本物の木が貼ってあります。
もちろん無垢フローリングの柔らかさや若しくは固さといった、木本来の触感を得ることはできませんが、表面的なリアルさを得ることはできます。
また、メーカーによっては通常のフローリングよりも薄い材料で床に固定する必要のないフローリングが出ていたりするので、リフォームに採用しやすいという利点もあります。

ただし、表面の仕上げ材が0.2~0.3mmの突板であるため傷に弱いという側面もあります。
表面の仕上材の厚みを超える傷が入ればどうしても目立ってしまう上に、無垢フローリングのように傷も含めた経年変化を楽しむということは難しいでしょう。
傷がついてしまった場合には部分的な張替で対応するしかなくなってしまいます。

さらに、無垢フローリングと比べると木の質感ではどうしても劣ります。
質感を重視するならできるだけ仕上材の突板が厚いものを選ぶ必要がありますが、突板部分が厚いほど価格が高くなる上に突き詰めると無垢フローリングになってしまうために、突板フローリングは無垢フローリングの妥協と感じられる方もいるかもしれませんが、木の質感を感じながら積層フローリングの機能的な部分も備えたいいとこどりの素材でもあります。

突板フローリングのメンテナンス

そんな突板フローリングのメンテナンスについてですが、ほとんど無垢フローリングと変わらない手入れが必要とされます。
日々の掃除は掃除機をかける程度で、汚れのひどい部分は水拭きをするといった簡単な手入れでだいじょうぶなのですが、定期的(半年から1年に1度)なワックスがけを必要とします。

もちろん突板の仕上げは無垢材と同じく塗装になるので、浸透系や塗膜系の塗料に合わせて、無垢材と同じように塗料メーカーのメンテナンス材の仕様に則った手入れを行ってもらうのが良いのではないかと思います。

プリントフローリングの特徴

コルクBOXの家
プリントフローリングは価格的には最もリーズナブルで、建売住宅やハウスメーカー等の売建住宅で最も多く使われているフローリングといえるでしょう
多く消費されているプリントフローリングはメーカーの開発も進んでいて様々な機能が付加されたものもあります。
例えば、傷がつきにくい加工がされていたり、熱に強いコーティング、犬や猫等が滑りにくい加工を施したものです。

ただし、プリント合板仕上なので木の質感を感じるという面では無垢フローリングや突板フローリングには劣ってしまいます。
表面が木ではないので当然ですよね。

メンテナンスについてはとても楽です。
普段のお手入れは掃除機をかけたり、乾いたぞうきんで拭いてください。
そして定期的なワックスを必要としない材料が多いです。
このあたりの性能についてはそれぞれのメーカーで確認が必要ですが、ワックスフリーと謳っているものが数多く有ります。
こういったフローリングにはワックスをかけない方が良いでしょう。

フローリングの選び方

結局のところどのフローリングを選ぶのが良いかということですが、素材感をとるのかメンテナンス性をとるのかという好みになると思います。
建売住宅ではプリント合板が選ばれているところを考えると、ほとんどのケースでプリント合板が採用されるのだろうと思います。なかには無垢フローリングというものを知らないまま、施工業者から説明されることもなく、その選択肢を知ることもなくプリント合板を採用している方も多くいらっしゃると思います。

建築家が好んで提案する無垢フローリングも、ハウスメーカーをはじめとする売建住宅や建売住宅なんかによる提供も含む住宅の中ではほとんど採用されていないでしょう。
こだわりの家を作るには一度検討の余地がある素材だと思います。
少しの手間をかけ、メンテナンスを重ねて唯一無二の床材を手に入れるのも一つの楽しみになるでしょう。

無垢フローリングの施工の様子はこちらへ

●マンションリノベーションで床と壁に無垢フローリングを貼ってみた


●無垢フローリングってどんな材料?



パートナーとなる設計者と一緒に、素材感やメンテナンス性、価格のことも考えて素材をしっかり選ぶのがいいと思います。一生に一度の家づくりです、過程を省かずにしっかりと説明してくれる業者を選びましょう。
とっかかりの問い合わせから始まり、ヒアリングから始まる設計やデザインの中で、建築主の好みや生活環境を把握してくれている身近な設計者の判断は大いに参考になると思います。

良いパートナーを見つけて、良い家を作りましょう


こちらの記事もあわせてどうぞ

●建築家(設計事務所)との家づくりはどうやって進めるの?費用は?期間は?


●設計事務所に家づくりを依頼するメリット

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