ほとんどの方が最初に考える生地の張り替えですが、このメリットは愛着のある家具を使い続けることができることは勿論、素材を無駄にせずゴミを増やさないという環境面での貢献も考えられます。経費がかさむ部分もありますが、金額も買い替えよりも少し安くなる傾向にあります。
しかし、生地の張り替え作業は工場に持って帰って行うことがほとんどで、引き取り時と搬入時と2回の輸送経費がかかることや、工場で家具を引き取っての張り替え作業中はその家具を使うことはもちろんできません。
店舗等で営業用に使っている家具が使用できないとなると店を開けることができなくなります。それを考慮すれば改修工事と同時に家具の補修を行う等、長期の休みに合わせる必要が出てくるので、張り替えのタイミングが限定されることになってきます。

買い替えのメリット、デメリットは張り替えのそれがそのまま反転します。
新品の家具を購入すれば1回の搬送で新品家具の納品と同時に古い家具の引き取りが可能なので、家具を使えないという期間がなくなるというメリットがあります。
反対にデメリットは張り替えよりもコストが高くなるということと、まだ使える家具を捨ててしまうためにゴミを増やしてしまうというところでしょうか、当然廃材処分費もかかってしまいます。

もちろん、張り替えしか考えられないような依頼主の思い入れのある魅力的な家具もありますから、そんな時は張り替え一択でプロジェクトを進めます。

しかし、張り替えの依頼をいただいても、状況に応じて張り替えと買い替えの両方の見積もりを出して比較検討してもらう場合もあります。
張り替えは意外と高額になりがちなので、新品を購入するのとそんなに大きく金額が変わらなかったりすることもあるので・・・
あとは、家具を使っている環境への配慮です。主にその家具を使用できない期間があってもだいじょうぶかどうかというところの確認です。
自宅で使っているダイニングチェアやリビングのソファなんかだと、工場にしばらく引き取ってもらって張り替え作業をすることで、その間家具が使えなくても自身や同居人が我慢すればいいだけのことです。
しかし、店舗等で営業に必要な家具を張り替える場合だと家具が使えないと営業できません。
そんな時には対応を考えないといけませんが、その期間休業するか、それとも改修工事等の長期休業に合わせて家具も補修してしまうかというのが主な解決方法です。
ただし、張り替える家具の量によっては工場ではなく現場で張り替えてもらうということもできなくはないこともあるのですが、それでも工場に持ち帰って張り替え作業してもらった方が施工精度が上がりきれいに仕上がると思います。
そういった家具を取り巻く状況を考えた上で、張り替えと買い替えの見積を見比べて検討することに戻ってみることも一案です。

当事務所では店舗の相談が多いということもあるのですが、買い替えることを選択することが多くはなっています。
しかし、一番いいのは資源を無駄にせず、ゴミも出さない張り替えを推奨したいところなのですが、張り替えはけっこう費用がかかるものです。
その家具を使用している環境と金額をよく検討して、張り替えと買い替えどちらを選択するのかよく考えましょう。