大阪のオフィスデザインです。
設計時からピンとくる仕上を探すために建築主とショールームを廻って仕上材を探していました。
仕上材によっては決まるものは決まるのですが、最後まで決まりきらないのがタイルでした。
カタログを見ていても質感が全然わからないので、数日かけていろんなメーカーのショールームに足を運び、ようやくたどり着いたのがこのタイル。
レトロアンティークで柔らかい雰囲気の白いタイルです。
最後のピースがはまったという感じで、現場の工事の進行を見ていたのですが、タイル工事の時に現場監督から
「このタイルは目地入れないほうがきれいんじゃないですか?」 という意見が上がります。
タイルを壁に貼り付けるボンドをきれいにならしておけば、目地を入れないでおさめられますよということなのですが、どんな仕上がりになるのかが言葉での説明ではなかなか伝わりにくい。
とりあえずは、後から目地を入れられるように、どちらの仕上げにも対応できるようにしておいてもらいました。
現場で貼り終わったタイルを見てみると、確かにきれいのはきれいです。
ところがショールームで見た柔らかいイメージとは違って、目地がくっきりしていてやや色むらが大きいので立体的に見えます。
目地を入れるとタイルの表面のザラザラにも目地材が入って、さらに白っぽく見えるようになり、タイルの色むらも減ります。それが手作り感があってよいのです。
悩ませますねぇ~
どちらもきれいなので、これは好みの問題かなと思いながら建築主とも相談してみたところ、タイルメーカーのショールームで見たアンティークな雰囲気も捨てがたいとのこと。
特にテレビ台のタイルの割り付けは設計時にこだわってきれいにおさめただけに目地が強調されてもきれいに見えるんです。
散々迷った挙句、『目地は入れたら抜くことはできないがいつでも入れることができる』
という理由で今のところは『目地は入れない』という決断を下したのですが、タイルの目地一つでも大騒ぎのこだわりの現場でした。
設計してる時にこだわって目地割までデザインしておかないと選べない選択肢でしたね!